2019年6月17日(月)
19時00分~20時50分
(質疑応答含む)
THE BASEスペシャル企画
2019年6月17日(月) 開催
~現状の正確な理解とあるべき方向性とは~
荻野 忠寛元千葉ロッテマリーンズ投手
荒木 重雄(株)スポーツマーケティングラボラトリー 代表取締役
野球離れ問題は、一見スポーツビジネス自体には直接関係ないようにも思えるが、長期的に考えた場合競技者人口が多いほど競技レベルが上がるだけでなく、将来の潜在的なコアファンを増やす意味においても看過できない問題であり、SBAとしてもこの問題の本質を考える討論会を開催するに至った。
本討論会ではゲストとして元千葉ロッテマリーンズ投手の荻野忠寛氏をお招きしている。荻野氏は、スポーツ指導者としての活動を通じて野球離れ問題の深刻さを訴えるのみならず、真正面からこの問題に取り組み、アクションを起こしている人物である。
荻野氏とTHE BASE代表の荒木の対談を通じ、野球離れ問題の本質を整理するとともに、だれが、どう対処してけば変わるのかについて、会場からのご意見も参考にしながら議論を展開させ、その糸口を探っていく討論会としたい。
THE BASE会員の方は1,500円(税込)でご受講いただけます。
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球界再編といわれたプロ野球2004年問題を契機に、プロ野球界は変わった。それまでのテレビ観戦型コンテンツから、球場を起点とした現地観戦コンテンツ(地域密着モデル)へと変革を遂げた。ファンは増加し、実数発表に統一した2005年と昨年2018年を比較すると:
▽2005年
セ:11,672,571
パ: 8,252,042
合計:19,924,613
▽2018年
セ:14,235,573
パ:11,315,146
合計:25,550,719
となっており、2005年比でセは121%、パは137%の伸びを示している。極めて堅調な推移と言える。
アマ野球競技の代名詞ともいえる高校野球の競技人口はどうだろう。
21世紀に入ったころから巷では「野球離れ」がささやかれはじめる中、2014年までは毎年微増を続けてきた。(※2014年を頂点に、毎年微減傾向に)
甲子園の来場者についても、毎年多くの観客が足を運び続け、昨年夏の甲子園大会の総入場者では史上初の100万人を突破するなど、相変わらずの甲子園人気を証明した形だ。
しかし、実情は少し違う。
2005年に165,293人いた高校球児は、2018年には153,184人に。約12,000人減った計算だ。
しかし、少子化であることを考慮するとどうなるか。2005年時に高校1~3年男子の人口が約191万人、同2018年には177万人と減少している。これを母数に球児に人口で割り返してみる(=高校生男子人口に占める球児の割合)と2005年は8.6%、そして、2018年も変わらず8.6%となり、相対的には横ばいという結果になっている。つまり、100人に8.6人が甲子園を目指している計算になる。これが高いのか、低いのか。PL学園で桑田、清原のKKコンビが大活躍をしていた時代を見てみると、高校1~3年の男子学生の数が約280万人、同高校球児の数は123,928人。同様に比率でみてみるとなんと4.4%となっており、今(8.6%)の約半分程度になっている。
当時は野球人気が低かったわけでもなく、むしろ競技人口もたくさんいた時代。にもかかわらず高校球児の人口が今よりも絶対数も少なく、男子人口に占める高校球児の割合は今の半分程度となっている。ここに現代の野球離れの本質的な問題点を探るヒントが隠されていると思っている。一言でいうと、当時は小、中までは楽しく野球をやっていたが、高校野球のようなシリアスベースボールに転換するタイミングで離脱組が続出したということだろう。中体連の数字を見てもそれが証明できる。そして、これらの離脱組こそが「野球のルールを知っている非競技者」であり、まさに、「潜在的な野球ファン」ということになるのだろう。逆説的に言えば、この離脱組が少なく、競技者が減少することで潜在的な野球ファンは激減することになる。
このように、プロ野球の人気回復、高校球児人口の微増、高校野球観戦数の増加など、表面上のプラスな事象に対し、「野球もまだまだ捨てたもんじゃない」と信じ、見過ごしてきてしまった代償ともいえるのではないか。まさに「ゆでガエル理論」が当てはまるような話でもある。
今年の1月、横浜DeNAベイスターズの筒香選手が立ち上がり、「変わろう、野球」を訴えた。それにメジャーに渡った菊池雄星も同調するなど、現役選手も積極的にこの問題に大きな警笛を鳴らし始めた。
勝利至上主義、甲子園至上主義、体罰・罵声、過度な練習量などの指導者問題、親の負担(時間とお金の問題)、ダサい(カッコよくない)、高野連が古い、などなど巷で囁かれている「野球離れ」の原因ともいえるキーワードの数々。現場だけの問題でもなく首都圏を中心に地上波ではまず野球中継を見られない。空き地がなく遊べない、あったとしても「キャッチボール禁止」となっている、少子化により(遊び相手としての)兄弟がいないなど、環境、時代の変化も多分に影響している部分もある。
今年のゴールデンウィークの5月2日に、Yahoo!ニュースでこんな記事が掲載された。
「すでに危険水域に突入しているといっていい。日本中学体育連盟(中体連)が公表しているデータによれば、2018年の中学校の軟式野球部員数は全国で16万8800人。08年の30万5958人から10年間で約13万7000人も減った。09年からは毎年、1万~2万人のペースで部員数が減っている。10年後には中学校から軟式野球部員がいなくなる計算だ。侍ジャパンU12の監督を務める仁志氏は『実感として、中学野球部は10年持つか持たないか、という印象』と表情を曇らせる。」
待ったなしの状況である。
もちろん、様々な箇所であるべき普及活動が芽吹いてきていることも事実。たとえば、下記の活動が挙げられる。
主な経歴:
2006年、大学生・社会人ドラフトで千葉ロッテマリーンズから4巡目指名を受け入団。
1年目の2007年シーズンは、チームトップの58試合に登板して1勝3敗1セーブ、防御率2.21、21ホールドポイントを記録。2年目には、抑えを任され、30セーブを記録。3年目には3年連続50試合登板、10ホールド9セーブを記録。その後は怪我に苦しみ、5度の手術を経験し、2014年に退団。ファンの間では「ミスターゼロ」という愛称で親しまれた。
退団後、ロッテ入団前に所属していた日立製作所野球部へ復帰。2年間プレーし2016年をもって選手生活を終える。現在は、小学生から大人まで幅広く選手の指導に当たっている。
NPB通算178試合登板 9勝11敗 40セーブ 33ホールド 通算防御率は2.87。
桜美林高校、神奈川大、日立製作所、千葉ロッテマリーンズ、日立製作所、174センチ、74キロ。右投右打。
http://tadahiroogino.com/
現職:
一般社団法人スポーツビジネスアカデミー代表理事
株式会社スポーツマーケティングラボラトリー 代表取締役
株式会社スポカレ 代表取締役
一般社団法人日本スポーツマンシップ協会 理事
主な経歴:
日本IBMをはじめ、外資系コンピューター・通信会社の要職を経て、2005年1月千葉ロッテ入り。執行役員・事業本部長として同球団の経営改革に着手。ファン、球団、地域との一体化を推進し、プロスポーツ界で初となる「指定管理者制度」を活用した球団・球場の一体経営にも着手。また、パシフィックリーグマーケティング社の取締役・執行役員として事業の立ち上げに貢献。その他、日本サッカー協会(JFA)の広報委員をはじめ、観光庁、文部科学省、総務省等のスポーツ関連プロジェクトなどにも多数参画。2009年7月に独立し、㈱スポーツマーケティングラボラトリー(SPOLABo)を設立。2013年からは、日本野球機構(NPB)の特別参与として、野球日本代表・侍ジャパンの事業戦略、デジタル戦略も担当。2015年9月に一般社団法人スポーツビジネスアカデミー(SBA)を設立。2017年6月より全日本野球協会(BFJ)理事に就任。2018年6月、スポーツ日程情報サービス「スポカレ」を運営する(株)スポカレ代表取締役に就任。現在に至る。
2019年6月17日(月)
19時00分~20時50分
(質疑応答含む)
会場:HSB鐵砲洲(八丁堀)
住所:東京都中央区湊1-1-12 HSB鐵砲洲
※正確な位置が表示されない場合がございます。
※地図アプリでみる場合は必ず「東京都中央区湊1-1-12 HSB鐵砲洲」で検索してください
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