FM講師インタビュー

第1回 FM短期集中講座 vol.1・2

「総論/ガイダンス」

講師インタビュー

平野 元章

Motoaki Hirano

2015年12月12日(土)
12:00〜13:30

22016年1月16日(土)
12:30〜14:00

スポーツビジネスアカデミー 平野 元章

定義や用語の統一が必要

Q:総論ではどのようなことをレクチャーされるご予定ですか?

A:まず、このコース全8回を通して基礎となる知識について話をする予定です。

Q:例えば?

A:そうですね…定義や用語の統一が必要ですね。

Q:定義や用語?

A:はい、これは専門家でも実は、曖昧だったりしています。例えば「コンディショニング」です。コンディショニングって何ですか?と百名に聞くと百通りの答えが返ってきます。あるいは場面ごとに意味が替わって使う人もいます。

Q:そうなんですか!定義や用語が統一されていないのでは関係者間の誤認が生まれますね。他にも同じようなことがありますか?

A:はい。専門家、特に現場スタッフの名称や役割が曖昧なことが多いですね。ご存じかと思いますが「トレーニングコーチ」「コンディショニングコーチ」「ストレングスコーチ」あるいはコーチという名称がトレーナーに替わり「コンディショニングトレーナー」などと呼ばれたり、またはラグビーやサッカーなどでは「フィジカルフィットネストレーナー」などという名称もあります。これらの違いって分かりますか?正直、私でもわからない場合があります(笑)

Q:それは混乱しますね。

A:そうなんです。スポーツに詳しくない人が球団運営に携わると、これらの定義がその人のイメージになるので、採用する人材が本来求められている役割にフィットしていないことが多々あります。私もプロ野球に十数年携わりましたが、このような誤認が原因となる失敗を幾度となく見聞きしてきました(笑)。

Q:採用者、特にGMや編成、強化担当者の知識不足よって生じる混乱ですね。

A:さらに、よく「今,流行っているトレーニングって何ですか?」って質問を受けます。トレーニングには流行り廃りはないんです。トレーニングの方法やそのためのツールがトレーニングだと思っているので流行り廃りという発想が出るんです。こんな誤解も解いていきたいと思います。とにかく総論ではこのコースの他の講義では扱わない事柄を全網羅的にお話したいと思います。

第1回 FM短期集中講座 vol.1

「育成トレーニング」

講師インタビュー

漁野 祐太

Yuta Ryono

2015年12月12日(土)
15:40~17:10

スポーツビジネスアカデミー 漁野 祐太

育成トレーニングは「選手を鍛え、育てる計画」

Q:育成トレーニングというのはどのようなトレーニングですか?

A:トレーニングと言ってもウエイトトレーニングのような方法論ではありません。トレーニングとは本来「選手を鍛える」という意味があります。したがって育成トレーニングとは「選手を鍛え、育てる計画」と言えます。

Q:プロなのになぜ育成トレーニングが必要なんですか?

A:プロとは言え、入団から数年はまだまだプロで要求されるレベルに到達しない選手がいます。特に高卒選手は1軍でプレーするには数年かかります。私はフィジカル面からの育成を担当しますが、フィジカルがプロレベルの要求に達していないと当然ながら高度なスキルの習得も難しいのです。そのような選手を一人前のプロ選手にするためには育成トレーニングが必要です。

Q:なるほど。育成トレーニングで重要なのは、どのようなことですか?

A:いろいろありますが、特に重要なのは育成計画です。球団の都合、コーチの経験や勘だけに頼らず科学的に長期的視点で育てることが重要だと思います。

Q:コーチの経験で教えるのは間違っているんですか?

A:いいえ、間違いではありません。監督コーチ、さらに私のようなトレーニングコーチは単年契約が多いので継続的に指導できない可能性があります。指導者が替わる度に育成方針も替わっていたのではチームは強くなりません。そのような意味もあって監督コーチ頼みの育成は合理的ではないということです。もちろん豊富な知識と経験を持っている監督コーチの指導力は育成トレーニングにおいて重要ではあります。

Q:なるほど、では最後にセミナーのポイントをお話しいただけますか?

A:そうですね。育成トレーニングは野球に限らずあらゆる競技スポーツにおいても重要な強化システムの一環です。GMやFMの方々に育成トレーニングの基礎知識があるとチーム強化戦略がますます活性化されると思います。分かりやすく実例を交えてお伝えしたいと思います。私もさまざまな種目のGMやFMの方々からご意見や情報をいただけることを楽しみにしております。

FM短期集中コース1

「スマートトレーニング」

講師インタビュー

篠田 洋介

Yosuke Shinoda

2015年12月12日(土)
17:30~19:00

スポーツビジネスアカデミー 漁野 祐太

経験則や勘だけではない科学的な管理が求められる

Q:スマートトレーニングの導入でトレーニングは、どのように変わりましたか?

A:そうですね。これまでは見た目や感覚、選手からの感想などで判断していたトレーニングの質や量をデータに基づいて把握できるようなった点が大きく変わりました。

Q:具体的には?

A:例えばトレーニング時の走行距離、これは量的指標ですね。これに質的な指標、ダッシュした距離などもわかるようになりましたから、単純に走った距離だけではなく、走る速度に基づくトレーニングの質的な判断もできるようになります。 これによって、ただトレーニングをせるのではなく、どのように、どれだけトレーニングをさせれば、ある選手の今のコンディションにとって最善なのかという客観的判断がしやすくなりました。

Q:他のJリーグチームでも導入されているんですか?

A:いいえ、adidasのmiCoach elite systemを使用しているのはマリノスだけです。

Q:海外のビッククラブではスマートトレーニングは主流と聞いていますが?

A:はい、その通りです。かつてはミランラボと呼ばれた AC ミランが有名でしたが、ほとんどのビッククラブでは取り入れています。今ではマリノスと資本提携しているマンチェスターシティも毎日のトレーニングから試合までスマートトレーニングで選手の管理をしています。

Q:というのは?

A:当然、世界的なビッグクラブで豊富な資金量がありますから設備投資は惜しみません。しかし、最大の理由は選手が商品だからだと思います。 高額な契約金や移籍金を投じて獲得した選手が怪我やコンディションを崩して欠場すると大きな損害につながります。 いわゆるリスクマネジメントという点でも経験則や勘だけではない科学的な管理が求められるようになったと思います。

Q:なるほど。スマートトレーニングは、今後ますます主流になりますね。

A:はい、そう思います。テクノロジーの進化もありデバイスの性能が日々向上しているようです。データ精度がどんどん上がると思います。

Q:スマートトレーニングに関する知識は球団を運営する者にとっては必須ですね。

A:はい。今後、他のシステムですが導入するチームも増えるでしょうし、Jリーグが既に導入しているトラッキングデータシステムなどもあります。これらをどう使いこなすかが今後、強化戦略の大きなテーマになると思います。

第1回 FM短期集中講座 vol.1

「コーチング ケーススタディ」

講師インタビュー

吉井 理人

Masato Yoshii

2015年12月13日(日)
16:10~17:40

スポーツビジネスアカデミー 吉井 理人

正解を出すのではなく、最善の選択をできるようにする

Q:大学院でのご研究活動はいかがですか?

A:楽しいですね!勉強すればするほど、知らなかったことばかり出てくるし、それに野球界の問題点が見えてきました。研究って楽しいですね!

Q:現役コーチ職との兼ね合いは大変ではないですか?

A:はい、たしかに。でも、またコーチ復帰して、いろいろなことがわかりました。

Q:例えば?

A:大学院での講義で習ったことが指導現場で起こることと合致するんです。今までの経験則と科学的知見が融合している感じです。

Q:なるほど。そもそもコーチングって講義室で習うものではないと思うのですが。

A:そう思います。現場に出て、それは感じました。実践と研究を合致させれば、もっといいコーチになれるし、もっといい選手を育てられるし、それに野球以外のコーチもできたりしそうです(笑)

Q:SBA-FMではどのような内容でコーチングを伝えたいと考えますか?

A:自分の経験に基づいた事例を挙げて皆さんと討議したいと思います。コーチングって答えのないものです。したがって正解を出すのではなく、最善の選択をできるようにする、あらゆることを考えて判断をする、先を読んで対応する…そんなことに気付いてもらえればと思います。

Q:最後に受講生に向けてメッセージを

A:僕も受講生の皆さんと一緒に勉強できたらいいなと思います。特にGMやFMについて興味がありますので逆に皆さんから教えてもらいたいですね。しかし、勉強は楽しいーーー!

第1回 FM短期集中講座 vol.2

「コンディショニング/リハビリ」

講師インタビュー

漁野 祐太

Yuta Ryono

2016年1月16日(土)
14:20~15:50

スポーツビジネスアカデミー 漁野 祐太

チーム・選手にとっての最適解が出せるノウハウを習得してほしい

Q:コンディショニング/リハビリですが、具体的にどのような内容でレクチャーされるご予定ですか?

A:SBAの主旨、それから受講者にはマネジメントの方々も対象にしていると聞いています。よって専門家を対象としたようなスポーツ医科学系やトレーニング科学関連の講義のようにはしない予定です。当然ながら基礎知識はお話をしますが、それよりもマネジメントする側の知識として、例えば復帰の判断やリハビリ・トレーニング計画のとらえ方など、事例を交えて進めたいと思います。

Q:なるほど。復帰の判断やリハビリ・トレーニングを知ることは重要なんですね。

A:はい!フロントと現場間で起こる問題の多くは復帰時期です。復帰時期がわかれば逆算して戦力補強や戦術などを考えることができます。 また、コンディショニングですね。なんらかの原因でパフォーマンスが低下した選手をどう扱うか、またはどのようにパフォーマンスを戻したらいいか、1軍への昇格、2軍への降格判断など、戦力に直結する問題です。

Q:判断は難しいんですね?

A:はい、非常に。選手は当然ながら怪我や調子の悪さを隠してまでも一日でも早く復帰したい、監督コーチは状態が悪化しても困るし、でも抜けられると戦力ダウンするし、またフロントは営業に影響したりするので休ませたくない。いろいろな思惑や状況があり簡単ではありません。

Q:じゃ、誰がどう判断をすればいいんですか?

A:最終決定権者はどのチームにもいます。その方が最終判断をします。
監督だったりGMだったりですね。

Q:では、その権限を持つ人が客観的、合理的に判断できる力が必要なんですね?

A:その通りです。しかし、多くの場合は専門性が高いということでコーチやトレーナーに判断を仰ぐことがあります。

Q:トレーナーに意見を聞くというのはよく聞きます。

A:意見を聞くのはいいのですがトレーナーの発言力が大きくなり、それが往々にして最終決定者の権限を越えてしまうことがあります。

Q:それは組織として問題ありますね。

A:トレーナーは専門家で、かつ選手を最高の状態でフィールドに送り出すことが仕事ですから、わからないこともないのですが…とにかくチームにとって、選手にとって最適解を出すことが重要で、それをできるノウハウを習得してもらえればと思います。そのようなGMやFMが増えるとトレーニングコーチとしてもやりやすくなります。

第1回 FM短期集中講座 vol.2

「組織マネジメント論」

講師インタビュー

住田 ワタリ

Watari Sumida

2016年1月17日(日)
14:20~15:50

スポーツビジネスアカデミー 住田 ワタリ

マネジメントされる側にとっての組織マネジメントを考える

Q:組織マネジメント論とはなんですか?

A:はい、目的に従い構築された組織がそれに向けて円滑に機能するための管理・運営の考え方です。

Q:競技スポーツ組織においても組織マネジメントは重要なんですね。

A:はい、もちろんです。ビジネスの世界も競技スポーツの世界も同じです。組織は人が作るものですから目標は異なりますが、そのマネジメントはビジネスもスポーツも違いはありません。

Q:なるほど

A:「組織は戦略に従う」という言葉があります。ビジネスにしてもスポーツにしても先ず、目指す目標が決められます。例えばオリンピックでの金メダル獲得やワールドカップ優勝とか。その目標を達成するために戦略が練られ、その戦略を実行する単位が組織です。言い換えると組織は目標達成のためのツールとも言えますね。そのツールをいかに効率良く使いこなすかが組織マネジメントだと思います。

Q:住田さんは、元はトレーナーと聞いておりますが。

A:はい、トレーナーです。今は、日本ラグビー協会代表強化部でマネジメントに携わっております。トレーナーとして日本、アメリカ、中南米とさまざまな組織内で仕事をしてきました。その中で勝てる組織と勝てない組織、強いリーダーシップのある組織とない組織など、さまざまな環境を経験しました。当然ながら日本とアメリカ、中南米では国民性が違えば組織も違います。そうなれば異なるマネジメントが求められます。また、日本のチームであっても指導者が外国人であればまた異なる組織となります。ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズなどはいい例ですね。

Q:本講義ではどのようなことをレクチャーされるご予定ですか?

A:日本、アメリカ、中南米という軸、それに野球、ラグビーという軸から組織とそのマネジメントを明らかにしていこうと思います。特に組織を管理・運営する立場にある人たち、要するにマネジメントに携わる方々に、マネジメントされる側の組織構成員にとっての組織マネジメントについて考えてもらえる内容にしたいと思います。マネジメント陣が考える組織マネジメントが必ずしも構成員にとって仕事のしやすい組織ではないということを理解できてもらえればと思います。

第1回 FM短期集中講座 vol.2

「コーチング ケーススタディ」

講師インタビュー

高森 勇旗

Yuki Takamori

2016年1月17日(日)
16:10~17:40

スポーツビジネスアカデミー 高森 勇

選手、現場視点でのマネジメント・コーチングを討議したい

Q:高森さんは、現在企業向けビジネスコーチングをされていると聞いておりますが。

A:はい。昨年から一般社団法人すごい会議でお世話になっております*。
* http://sugoikaigi.jp/coach/detail_takamori.html

Q:まさにコーチングの現場にいらっしゃるんですね。

A:はい、ただしビジネスですが(笑)。ご存じの通りコーチングという言葉の由来は「馬車で人を目的地まで運ぶ」です。スポーツもビジネスも組織の構成員の能力をフル活用させて目的を達成することが求められます。そういう意味でもスポーツもビジネスもコーチングの本質は一緒だと思います。ビジネスコーチングは、そもそもスポーツのコーチングからヒントを得て始まったことでもありすから。

Q:プロ野球選手時代の経験が役立っていますか?

A:もちろんです。特に私はプロ野球では成功したとは言えません。成功した者とそうでない者、特にプロスポーツの世界ではこの違いは大きいと思います。

Q:例えば?

A:成功した選手の多くは、なぜ成功したかのかご自身でもわからない人が多いです。それは持って生まれた「何か」があったんでしょうね。自分のように成功しなかった者は「何か」がなかったので、それを補うためにいろいろ考え、トライしました。その経験が現職にたいへん役立っています。

Q:元選手の経験を本講義でどのように伝えられるご予定ですか?

A:コーチングというと多くの場合、マネジメント側の視点で語られることが多いと思います。例えば選手の力を最大限に発揮させるにはどうしたらいいか、目的達成のための組織マネジメントは?…みたいな。これらは一見、選手や現場視点で考えているように見えますが、私はそのように思っていません。やはり選手や現場を経験しないとわからないことはたくさんあります。でも、マネジメントの人たちは、我々の声を聞こうとしないんですよね…
講義では判断が難しい事例をインタラクティブに進めたいと思います。特に選手、現場視点でのマネジメント、コーチングに関して、皆さんと討議できたらと思っています。

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